Python3エンジニア認定基礎試験 試験直前の総復習チェックリスト

公開日: 2025-09-18

試験まであと数日。

これまで勉強してきた内容を効率的に復習したいけれど、何を重点的にチェックすればいいかわからないと不安になっていませんか?

私自身、過去に何度も資格試験を受験してきましたが、試験直前はどうしても不安が大きくなります。 特にPython 3エンジニア認定基礎試験は「基礎」という名前がついていても、幅広い分野が出題されるため、油断は禁物です。

この記事では、Python3エンジニア認定基礎試験を控えた受験者の皆さんに向けて、試験直前に必ずチェックしておきたいポイントを体系的にまとめました。

エンジニア歴10年の私が、実務経験や学習者を指導してきた経験をもとに「これだけは絶対に押さえておきたい!」という項目を厳選しています。 サンプルコードや表も交えながら、手を動かしつつ確認できるように工夫しました。

今まで積み上げてきた学習を総仕上げするために、このチェックリストを活用してください。

【関連記事】Python3エンジニア認定基礎試験とは?Pythonの資格試験について解説!

試験直前の総復習がなぜ必要なのか?

Python 3エンジニア認定基礎試験の合格率はおおむね 75〜80% と比較的高め。 とはいえ、油断して「まあ基礎だから」と軽く流してしまうと、意外なところで足をすくわれることがあります。

まずは、復習の必要性について解説していきます!

記憶の定着を強化するため

人間の記憶はエビングハウスの忘却曲線に代表されるように、時間とともに薄れていきます。

例えば昨日覚えた文法も、数日後にはあやふやになってしまう。 だからこそ、直前にもう一度確認しておくことはとても効果的です。

苦手分野を洗い出す最後のチャンス

試験本番は時間制限があり、迷っている暇はありません。 学習中になんとなく理解しているけれど自信がない部分を最後に整理しておけば、当日の失点を最小限に抑えられます。

緊張を和らげる効果も

直前に出題形式や頻出分野を確認しておけば、「見慣れた問題だ」と安心できます。 経験上、この安心感が試験当日のパフォーマンスに大きく影響します。

【基本文法】チェックリスト

ここからは、Python3エンジニア認定基礎試験の復習を行います!

まずは、Pythonの基礎中の基礎。 ここを押さえておかないと、応用問題でも必ずつまずきます。試験直前に必ず振り返っておきましょう。

変数と代入

Pythonでは、変数に型を宣言する必要はありませんが、命名規則を守らないとエラーになります。

user_name = "田中"
age_2025 = 25
_private = "秘密"

# エラー例
# 2age = 25
# if = "条件"

ここで注意したいのは、予約語を変数に使ってはいけない点です。 試験では「次のうち有効な変数名はどれ?」という形式でよく出題されます。

データ型

続いては、データ型です。

整数、浮動小数点、文字列、真偽値。 この4種類は必ず押さえてください。

number = 42
price = 19.99
name = "Python"
is_valid = True

print(type(number))  # <class 'int'>

実務でも type()isinstance() を使って型を確認することは頻繁にあります。

演算子

Python独特の演算子として、整数除算(//)や剰余(%)があります。

print(10 // 3)  # 3
print(10 % 3)   # 1
print(2 ** 3)   # 8

論理演算子も試験頻出です。 特に not の挙動を見落としやすいので直前に確認をしておきましょう!

print(True and False)  # False
print(True or False)   # True
print(not True)        # False

【データ構造】チェックリスト

続いて、データ構造についてです。 出題比率 17.5%。基礎的ながら試験で落とせない分野です。

リスト

リストは「順序あり・変更可能」が特徴です。

fruits = ["apple", "banana", "cherry"]

print(fruits[0])     # apple
print(fruits[-1])    # cherry
print(fruits[0:2])   # ["apple", "banana"]

fruits.append("orange")
fruits.insert(1, "grape")
fruits.remove("banana")
last = fruits.pop()

タプル

タプルは、イミュータブル(変更不可)な点を理解しておけばOKです。

coordinates = (10, 20)
single_tuple = (42,)  # カンマ必須

辞書

次に、辞書(dict)について確認していきましょう。 辞書は「キーと値のペア」を格納するデータ型で、リストやタプルのように順番ではなく キーで値にアクセスできる のが特徴です

特に試験では、存在しないキーにアクセスした場合の挙動がよく問われます。 直接 person["email"] と書くと KeyError になりますが、get() メソッドを使えばデフォルト値を返すことができます。また、in を使って存在確認をするのも安全な方法です。

person = {"name": "田中", "age": 25}
print(person.get("age", 0))     # 25
print("email" in person)        # False

このように、辞書を扱うときは「安全な参照の仕方」を意識するとエラーを防げます。

集合

続いて、集合(set)です。集合は「重複を自動で取り除く」という性質を持っています。 リストや辞書と違い、順序を保持しないため 集合は順序なし・重複なし という特徴を必ず押さえましょう。

また、集合は数学的な「和集合」「積集合」といった演算が可能で、これも試験に頻出です。

numbers = {1, 2, 3, 3}
print(numbers)  # {1, 2, 3}

set1 = {1, 2, 3}
set2 = {3, 4, 5}
print(set1.union(set2))         # {1,2,3,4,5}
print(set1.intersection(set2))  # {3}

集合は「リストの重複を削除したいとき」や「共通する要素を調べたいとき」に非常に便利です。

【制御構造】チェックリスト

続いて、if文などの制御についてです。

出題比率 22.5%。配点が大きいため確実に得点源にしたい分野です。

if文

条件分岐には if 文を使います。ある条件が真(True)の場合に処理を実行し、偽(False)の場合は else の処理が実行されます。 また、条件が複数ある場合は elif を使って分岐します。

score = 85
if score >= 90:
    grade = "A"
elif score >= 80:
    grade = "B"
else:
    grade = "C"
print(f"成績: {grade}")

この例では、スコアが90点以上ならA、80点以上ならB、それ以外はCと判定します。 「条件式の評価順序」を意識して書くことが大切です。

for文

繰り返し処理を行いたいときに使うのが for 文です。 Pythonの for は「指定した範囲やリストを1つずつ取り出して処理する」というイメージで覚えると理解しやすいです。

for i in range(0, 10, 2):
    print(i)  # 0,2,4,6,8

fruits = ["apple", "banana"]
for fruit in fruits:
    print(fruit)

試験では range() の引数(開始・終了・ステップ)の挙動が問われやすいので注意しましょう。

while文

while 文は、条件が真である間ずっと繰り返す構文です。 カウンタ変数を自分で増減させる必要があり、忘れると無限ループになるので気をつけましょう。

count = 0
while count < 5:
    print(count)
    count += 1

このコードは0〜4を出力します。 もしcount += 1を書き忘れると、条件が永遠に True になり、プログラムが止まらなくなります。

【エラー・例外処理】チェックリスト

次に、プログラムがエラーを起こしたときに備える「例外処理」を見ていきましょう。 出題比率は 10% と高くはありませんが、つまずきやすいポイントなので直前に整理しておくのが安心です。

try:
    number = int("abc")
except ValueError:
    print("数値に変換できません")
finally:
    print("必ず実行されます")

try ブロックでエラーが発生すると、対応する except が処理を引き受けます。 finally はエラーの有無にかかわらず必ず実行されるのが特徴です。

よく出る例外一覧

特に試験に出やすい例外をまとめると以下の通りです。

例外名 発生条件
ValueError 値が不適切
TypeError 型が違う
IndexError インデックス範囲外
KeyError 辞書にキーがない
ZeroDivisionError ゼロで割った

問題文で「次のコードを実行するとどのエラーが発生するか?」と問われるケースが多いので、名前と状況をセットで覚えておきましょう。

【関数・モジュール】チェックリスト

ここからは「コードを整理し再利用性を高める」ための仕組み、関数やモジュールについて確認します。

関数

関数は入力を受け取り、処理を行い、結果を返す小さな部品です。 試験では「引数にデフォルト値を設定できること」や「戻り値を返す return」がよく問われます。

def power(base, exponent=2):
    return base ** exponent

print(power(5))    # 25
print(power(5, 3)) # 125

exponent にはデフォルト値が設定されているため、引数を省略すると自動的に2が使われます。

組み込み関数

Pythonには標準で便利な関数が数多く用意されています。 特に len()sum()sorted() は頻出です。

numbers = [3, 1, 4, 1, 5]
print(len(numbers))       # 5
print(sum(numbers))       # 14
print(sorted(numbers))    # [1,1,3,4,5]

sorted() は新しいリストを返す一方で、list.sort() はリスト自体を並び替える点も押さえておきましょう。

【クラス・オブジェクト指向】チェックリスト

次に、Pythonのオブジェクト指向の基礎を確認します。 試験では「クラス定義」「self の役割」「コンストラクタ(__init__)」がよく出題されます。

class Person:
    def __init__(self, name, age):
        self.name = name
        self.age = age
    def introduce(self):
        return f"私は{self.name}、{self.age}歳です"

p = Person("田中", 25)
print(p.introduce())

このコードでは、Person クラスからオブジェクトを作成し、インスタンスメソッド introduce() を呼び出しています。 self は自分自身のインスタンスを指しており、インスタンス変数へアクセスするときに必須です。

【標準ライブラリ】チェックリスト

最後に、試験で出題されやすい標準ライブラリを確認します。

math

数学的な計算を扱うときに使うライブラリです。

import math
print(math.pi)       # 3.141592...
print(math.sqrt(16)) # 4.0

円周率や平方根の計算など、基本的な数値処理を押さえておきましょう。

random

乱数を扱うライブラリです。 試験では「整数乱数の生成」と「要素のランダム選択」が出やすいです。

import random
print(random.randint(1, 10))
print(random.choice(["a", "b", "c"]))

【試験当日】準備チェックリスト

知識以外の準備も合否を左右します。

  • 持ち物:身分証明書、受験票、筆記用具
  • 環境:開始15〜30分前に到着
  • 試験中:時間配分を意識、わからない問題は飛ばす
  • メンタル:「70%取れれば合格」

【最終チェック】間違えやすいポイント

最後に、受験者がよくつまずく細かい部分をおさらいしておきましょう。

インデックスとスライス

文字列やリストを操作するときに重要です。 範囲指定は「開始を含み、終了は含まない」ルールを必ず覚えてください。

text = "Python"
print(text[1:4])  # "yth"
print(text[:3])   # "Pyt"
print(text[2:])   # "thon"

sort と sorted

list.sort() と sorted() の違いも試験に頻出です。

numbers = [3, 1, 4, 1, 5]
numbers.sort()
print(numbers)  # [1,1,3,4,5]

numbers = [3, 1, 4, 1, 5]
result = sorted(numbers)
print(result)   # [1,1,3,4,5]

元のリストを変更するかどうかが違いです。

まとめ

この記事では、Python 3エンジニア認定基礎試験に向けた直前チェックリストをまとめました。

  • 基本文法:変数、演算子、型
  • データ構造:リスト・タプル・辞書・集合
  • 制御構造:if、for、while
  • 例外処理:try-except、よく出るエラー
  • 関数・クラス:def、self、コンストラクタ
  • 標準ライブラリ:math、random
  • 当日の準備:持ち物、時間配分、メンタル管理

最後にエンジニア歴10年の私から、合格のためのアドバイスをもう一度。

  1. 完璧を目指さない:70%で合格できます。
  2. 基本を大切に:難問より基礎文法が大事。
  3. 手を動かす:必ずコードを書いて確認。

試験直前は焦りやすいですが、これまで積み重ねてきた努力は必ず実を結びます。自分を信じて、落ち着いて挑んでください。

そして合格したら、次のステップへ。応用的な資格や実務プロジェクトでさらにスキルを伸ばしていきましょう。

あなたの合格を心から応援しています!

ここまでお読みいただきありがとうございました!

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