【Python初学者向け】Linuxで覚えておきたい基本コマンド完全ガイド

公開日: 2025-09-05

Pythonを学び始めた方の中には、WindowsやMacを使っている方も多いですよね。 しかし、いざ本格的にプログラミングや開発を始めると「Linux環境」を使う機会が必ず出てきます。

「Linuxって難しそう……」 「黒い画面(ターミナル)を触ると壊してしまいそうで怖い」

そんな不安を抱えるのは当然のことです。私自身も最初は「なんだかプロっぽいけど、自分には無理かも」と感じていました。

でも安心してください。Linuxコマンドは、たった数十個覚えるだけで、Python開発に必要な操作は十分にできる ようになります。

この記事では、Python初学者が知っておくと便利なLinuxコマンド を丁寧に解説します。 「なぜそれが必要なのか」「どんな場面で使うのか」を実例を交えて紹介するので、ぜひ読みながら試してみてください。

なぜPython学習者にLinuxコマンドが必要なのか?

まずは「なぜPythonを学ぶのにLinuxが必要なの?」という疑問を整理してみましょう。

Pythonはクロスプラットフォーム(どのOSでも動く)な言語です。 それなのにLinuxがよく登場するのは、以下の理由があるからです。

  • サーバーやクラウド環境の多くがLinuxで動いている
  • PythonライブラリやツールのドキュメントがLinux前提で書かれていることが多い
  • 開発環境をDockerなどで構築すると、Linuxコマンドが必須になる

つまり、「PythonだけできてもLinuxがわからない」と、次の一歩でつまずいてしまうことが多いのです。

そこで、Python初学者が最初に覚えておくべきコマンドを厳選して紹介します。

Linuxコマンドの基本構造を理解しよう

いきなり個別のコマンドに入る前に、Linuxコマンドの書き方を理解しておきましょう。

Linuxのコマンドは基本的に次のような形で使います。

コマンド [オプション] [引数]

例えば、現在のディレクトリにあるファイル一覧を詳細表示する場合は次のように入力します。

ls -l
  • コマンド → ls(ファイル一覧を表示するコマンド)
  • オプション → -l(詳細表示する設定)
  • 引数 → (なし。指定すれば特定のディレクトリを対象にできる)

このパターンを頭に入れておけば、知らないコマンドも説明を読んで理解しやすくなります。

また、Linuxについて、詳しく学習したい方はインフラ学習サイトのInfraAcademyがおすすめです! インフラ学習サイトのInfraAcademy

よく使うLinuxコマンド一覧

ここからは、Python初学者が実際に使うことになるであろうコマンドを具体的に紹介します。

まずは一覧を表にまとめました。

コマンド 役割 具体例
pwd 今いるディレクトリを表示 pwd
ls ファイルやフォルダの一覧を表示 ls -l
cd ディレクトリの移動 cd project
mkdir フォルダを作成 mkdir new_dir
rm ファイルやフォルダを削除 rm test.py
cp ファイルやフォルダをコピー cp a.py b.py
mv ファイルを移動 or 名前変更 mv old.py new.py
cat ファイルの中身を表示 cat test.py
less 長いファイルをスクロール表示 less log.txt
head ファイルの先頭を表示 head -n 10 log.txt
tail ファイルの末尾を表示 tail -f log.txt
which コマンドの場所を確認 which python
grep 検索 grep "def" test.py
pip Pythonパッケージ管理 pip install requests
python Pythonの実行 python main.py

ディレクトリを移動する:pwdcd

プログラミングを始めたばかりの人が最初につまずくのが「今どこのフォルダにいるのかわからない」という問題です。

そんなときに使うのが pwdcd です。

pwd   # 今いる場所を確認
cd .. # 一つ上のディレクトリに移動
cd project  # project フォルダに移動

Python学習でも、cd を使ってプロジェクトフォルダに移動してから python main.py を実行する場面が多いでしょう。

「迷子になったらpwd」と覚えておくと安心です。

ファイルやフォルダを扱う:ls mkdir rm cp mv

LinuxではGUIのようにドラッグ&ドロップができないので、ファイル操作もコマンドで行います。

  • ls: ファイル一覧を表示
  • mkdir: フォルダを作成
  • rm: 削除(注意!ゴミ箱に行かない)
  • cp: コピー
  • mv: 移動または名前変更

例えば、Pythonの新しいプロジェクトを始めるときには次のように使います。

mkdir my_project
cd my_project
touch main.py   # 空のPythonファイルを作る
ls -l

ここまでできれば、Linux上で新しいPythonプロジェクトをスタートできる ようになります。

ファイルの中身を確認する:cat less head tail

Pythonのコードを書いた後、「本当にこのファイルに保存されているのかな?」と不安になることはありませんか? そんなときに便利なのがファイルの中身を確認するコマンドです。

  • cat: 短いファイルの中身を表示
  • less: 長いファイルをスクロールしながら読む
  • head: 上から指定行数だけ表示
  • tail: 下から指定行数だけ表示(-f オプションでログをリアルタイム監視できる)

以下のように利用します。

cat main.py
head -n 5 main.py
tail -f log.txt

特に tail -f は、Pythonプログラムのログをリアルタイムで確認したいときに大活躍します。

検索する:grep

Pythonのソースコードが増えてくると、「あの関数どこに書いたっけ?」と探すのが大変になります。 そんなときに役立つのが grep です。

grep "def" *.py

このコマンドは「すべての.pyファイルから def を含む行を探す」という意味になります。 ちょっとしたコード検索ならIDEより速いこともあるんですよ。

Python関連でよく使うコマンド

Python初学者にとって重要なのは、Linuxの中でも「Pythonに関係するコマンド」です。

例えば次のようなものがあります。

  • which python: どのPythonを使っているのか確認
  • python main.py: Pythonファイルを実行
  • pip install: ライブラリをインストール

実際の流れはこんな感じです。

which python
python --version
pip install requests
python main.py

これができれば、Linux環境でPythonを動かし、必要なライブラリをインストールして実行する という一連の流れをマスターできます。

初学者がつまずきやすいポイントと対策

Linuxコマンドを学ぶとき、誰もが必ずつまずきます。 「間違えて消してしまった」「どこにいるかわからなくなった」などは典型的な悩みです。

ここでは代表的なつまずきと、その対処法をまとめました。

よくある悩み 原因 解決法
rm で削除したら戻せない Linuxはゴミ箱に行かない rm -i を使うと確認してから削除できる
どこのディレクトリにいるかわからない cd を使いすぎて迷子に pwd で現在地を確認する
Pythonが動かない PATHが通っていない or バージョン違い which pythonpython --version で確認
pipで入れたのにimportできない 仮想環境とグローバル環境の混同 which pipwhich python をセットで確認

「エラーが出た!どうしよう!」と思ったら、まずは落ち着いて pwd → which → python --version の順に確認してみると解決の糸口が見えます。

まとめ:PythonとLinuxは一緒に学ぶと成長が早い

この記事では、Python初学者が覚えておくべきLinuxコマンドを紹介しました。

  • pwd / cd / ls → ファイル操作の基本
  • mkdir / rm / cp / mv → フォルダやファイルを管理
  • cat / less / head / tail → ファイルの中身を確認
  • grep → 検索
  • python / pip / which → Python開発で必須

最初は「黒い画面」が怖いかもしれませんが、慣れてくるとマウスよりも速く作業できて驚くはずです。

Pythonの学習を進める中で、ぜひLinuxコマンドにも挑戦してみてください。 「できること」が増えると、プログラミングの楽しさが倍増しますよ。

あなたはまず、どのコマンドから練習してみますか? 今日紹介した中から1つでも試してみると、次の一歩がグッと軽くなるはずです。

Pythonの基礎から応用まで学べる
Python WebAcademy

Python WebAcademyでは、Pythonの基礎からアーキテクチャなどの応用的な内容まで幅広く学べます。
また、ブラウザ上で直接Pythonコードを試すことができ、実践的なスキルを身につけることが可能です。

Pythonの学習を始める