Pythonはなぜ「Python」? 蛇ではなくコメディ番組が由来だった!

公開日: 2025-09-05

プログラミングを学び始めたとき、誰もが一度は思ったことがあるのではないでしょうか。

Python(パイソン)って、蛇の名前だよね?

実はこれ、多くの人が誤解しているポイントです。Pythonという名前は、爬虫類のニシキヘビから取られたのではありません。 意外にも、その由来はイギリスの伝説的コメディ番組 「モンティ・パイソン(Monty Python)」 にあるのです。

この記事では、Pythonという名前の本当の由来を、初心者にもわかりやすく解説していきます!

Pythonは蛇じゃない! 本当の名前の由来

結論から言えば、Pythonという名前は 「空飛ぶモンティ・パイソン(Monty Python’s Flying Circus)」 というイギリスBBC制作のコメディ番組に由来します。

この番組は1969年に放送開始され、ナンセンスかつ風刺的なコントで世界中を笑わせました。 代表的なスケッチ(短いコント)には以下のようなものがあります。

  • 「死んだオウム(Dead Parrot)」
  • 「馬鹿歩き省(Ministry of Silly Walks)」
  • 「スペイン宗教裁判(Spanish Inquisition)」
  • 「スパム(Spam)」

特に「スパム」のコントは、現代の「スパムメール」という言葉の語源にもなっています。

そして、この番組の大ファンだったオランダ人プログラマー グイド・ヴァンロッサム(Guido van Rossum) が、自作のプログラミング言語に「Python」と名付けたのです。

つまり、Python という名前は蛇ではなく コメディの精神 から生まれたのです。

なぜ蛇のイメージが強いのか?

ここで多くの人が、

「でもPythonロゴはヘビっぽいよね?」

と思うかもしれません。

たしかに、Pythonの公式ロゴには青と黄色の蛇がモチーフになっています。

さらに、入門書や解説記事でもニシキヘビの写真やイラストが使われることが多いため、「Python=蛇」というイメージが定着しました。

しかしこれは単なる言葉の連想にすぎません。
本来の由来はあくまで「モンティ・パイソン」であり、ヘビは後から自然に結びついたものなのです。

Python開発者が大切にしたユーモア精神

Pythonを作ったグイド・ヴァンロッサムは、ただのエンジニアではなく「遊び心」を大事にする人物でした。

プログラミングは真面目で論理的な活動ですが、そこに少しのユーモアを取り入れることで、堅苦しさを和らげることができます。

Pythonには「The Zen of Python(パイソンの禅)」という哲学があり、

import this

と入力すると、プログラミングに関するシンプルな指針が表示されます。

Pythonの哲学には以下のようなものがあります。

  • 「美は醜に勝る」
  • 「シンプルは複雑に勝る」
  • 「可読性は重要である」

これらの考え方は、どこかコメディのように肩の力を抜きつつ、本質を突いているのです。

初心者に寄り添うPythonの魅力

では、なぜPythonがここまで人気になったのでしょうか?

理由の一つは 初心者にも学びやすい ことにあります。

  • 文法がシンプルで読みやすい
  • 自然な言葉のように書ける
  • 豊富なライブラリがそろっている
  • 教育現場でも使われている

実際に多くのプログラミングスクールや子ども向け教室でもPythonが採用されています。

「蛇なのかな?」と不安に思っていた初心者も、実際に触れてみると「思ったより優しい言語だ」と感じることが多いのです。

ちょっとした寄り道:タートルとPython

Pythonには「タートル(turtle)」という学習用モジュールがあります。

これは「カメ」を動かして図形を描くもので、子ども向けプログラミング教育で有名な LOGO言語 がルーツです。

例えば、以下のようなコードを実行すると、画面上のカメが動いて四角を描いてくれます。

import turtle

t = turtle.Turtle()
for _ in range(4):
    t.forward(100)
    t.right(90)

turtle.done()

シンプルですが、これだけで「プログラムが自分の思った通りに動く」という体験ができます。まさに初心者にぴったりの入り口ですね。

バージョン問題もユーモラスに

PythonにはかつてPython2とPython3が並行して存在していた時代がありました。 互換性の違いから混乱もありましたが、今ではPython3が主流です。

この新しいバージョンは 「Python 3000」 と呼ばれ、未来を見据えた改良版として作られました。グイド自身も「Don’t fear Py3k!(Python 3を恐れるな!)」と語り、ユーモアを交えて前向きに受け入れるよう促しました。

Pythonとモンティ・パイソンの共通点

ここで改めて考えてみると、Pythonという言語とモンティ・パイソンのコメディには共通点があります。

  • シンプルでわかりやすい
  • ユーモアや遊び心を忘れない
  • 世界中で愛される文化を築いた

プログラミング言語とお笑い番組という全く異なる分野ですが、その精神はつながっているのです。

まとめ:Pythonという名前に込められた意味

最後にもう一度、この記事のポイントを整理しましょう。

  • Pythonの名前は蛇ではなく モンティ・パイソン に由来する
  • 蛇のイメージはロゴや本の表紙から自然に広まった
  • Pythonは初心者にも優しく、教育現場でも人気
  • ユーモアとシンプルさを大切にする哲学がある

プログラミングを始めると「難しい」「怖い」と感じることもありますが、Pythonの背景には「笑い」や「遊び心」があると知ると、少し気持ちが楽になるのではないでしょうか。

Pythonはただの技術ではなく、文化やユーモアとも結びついた存在です。
もしこれから学び始めるなら、蛇ではなく コメディの精神を受け継いだ言語 だと思って、楽しみながら触れてみてください。

ここまでお読みいただきありがとうございました!

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