【PythonのSyntaxErrorとは?】初心者がつまずく構文エラーの原因と対処法を徹底解説
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Pythonを始めたばかりの方からよく聞く言葉があります。 それが「**SyntaxError(シンタックスエラー)って何?」という質問です。
私もエンジニア歴10年になりますが、最初の頃は何度もこのエラーに悩まされました。 そして正直に言うと、今でもたまにSyntaxErrorを出すことがあります。 それほど、このエラーはプログラミングにおける“基本中の基本”でありながら、誰もが避けて通れない壁なのです。
この記事では、PythonのSyntaxErrorとは何か、その原因、そして解決方法を、初心者でも分かりやすく丁寧に解説していきます。
最後まで読めば、「もうSyntaxErrorなんて怖くない!」と思えるようになるはずです。
SyntaxError(構文エラー)とは?¶
まずは、そもそもSyntaxErrorとは何なのかを理解しましょう。
Pythonは非常に人間に優しい言語ですが、「文法(構文)」にはとても厳しい一面も持っています。 文法に違反したコードを書くと、Pythonは「これは理解できないよ!」と怒って教えてくれます。 そのときに出るのが SyntaxError(構文エラー) です。
たとえば、次のようなコードを見てみましょう。
print("Hello world!"
一見、単純なミスですが、このコードを実行すると次のようなエラーが表示されます。
SyntaxError: unexpected EOF while parsing
これはカッコの閉じ忘れが原因です。 Pythonがコードを解析している途中で、「あれ?まだ終わってないのにファイルが終わったぞ?」と混乱している状態です。
SyntaxErrorが起こる主な原因¶
SyntaxErrorはさまざまな場面で発生します。 ここでは、初心者から上級者までがよくやってしまう代表的なミスを紹介します。
次の表に主な原因をまとめました。
原因 | 具体例 | エラー内容 |
---|---|---|
カッコの閉じ忘れ | print("Hello" |
unexpected EOF while parsing |
コロンの付け忘れ | if True print("OK") |
invalid syntax |
インデントのズレ | if True:\nprint("OK") |
IndentationError |
文字列の閉じ忘れ | message = "Hello |
EOL while scanning string literal |
不正な記号 | a = 10@ |
invalid syntax |
予約語の誤用 | class = "abc" |
invalid syntax |
スペルミス | pritn("Hello") |
NameError(構文ではないが混同しやすい) |
このように、SyntaxErrorの原因は単純なミスがほとんど。 それでも、初心者のうちはエラー文を見てもピンとこないものですよね。 では次に、それぞれのケースを実際に見ていきましょう。
1. カッコの閉じ忘れ¶
これはPython初心者が最も多く経験するSyntaxErrorの一つです。
print("Hello"
上のコードを実行すると、次のように表示されます。
SyntaxError: unexpected EOF while parsing
Pythonはprint(
を見た瞬間に、「この後に何かがくるはず」と構文を予想します。
しかし閉じるカッコがないため、最後まで探しても終わらず、結果的にエラーになります。
対処法: 開きカッコと閉じカッコの数を必ずチェックしましょう。 最近のエディタ(VSCodeやPyCharmなど)では、対応するカッコを自動でハイライトしてくれるので活用するのがおすすめです。
2. コロン(:)の付け忘れ¶
if文やfor文、関数定義などの末尾にコロンをつけ忘れると、すぐにSyntaxErrorが出ます。
if True
print("Hello")
このコードの実行結果は次の通りです。
SyntaxError: expected ':'
Pythonは条件文や関数の後にはコロンが必要というルールを持っています。 人間にとってはたった1文字ですが、Pythonにとっては命令の区切りを示す大事な記号なのです。
3. インデント(字下げ)のズレ¶
Pythonでは、インデント(スペースやタブでの字下げ)が構文の一部として扱われます。 そのため、インデントがズレると構文エラーになります。
if True:
print("Hello")
このコードではインデントがないため、次のようなエラーになります。
IndentationError: expected an indented block
インデントの深さを統一することが重要です。 特に「スペース」と「タブ」を混在させると、見た目では揃っていてもエラーが出ることがあります。
4. 文字列の閉じ忘れ¶
これも非常に多いミスです。
message = "Hello
print(message)
結果は次の通りです。
SyntaxError: EOL while scanning string literal
EOL(End Of Line)とは行末という意味です。 「行の終わりまで来たけど、文字列が終わってないよ」というメッセージになります。
5. 不正な記号や記述¶
Pythonでは、使えない記号を使うとSyntaxErrorになります。
a = 10@
実行結果は次の通り。
SyntaxError: invalid syntax
「@」はデコレーターなどで使う特殊記号なので、このような書き方は認識されません。
6. 予約語の誤用¶
Pythonでは、特定の単語は「予約語」として使われています。 たとえば「class」「if」「for」などです。
class = "Hello"
このコードを実行すると、
SyntaxError: invalid syntax
と表示されます。 予約語はPythonが内部で使用するため、変数名などには使えません。
SyntaxErrorが出たときの対処法¶
ここまでで、さまざまな原因を見てきました。 では実際にエラーが出たとき、どうすれば良いのでしょうか。
私が実践している3ステップ解決法を紹介します。ぜひ参考にしてみてください!
ステップ1:エラーメッセージを読む¶
エラーの最初の一行目は必ず読みましょう。
例えば、
SyntaxError: invalid syntax
というメッセージが出たら、「文法が間違っている」ということが分かります。 その下に表示される「^(キャレット)」の位置が、エラー箇所のヒントになります。
英語が読めない方は翻訳して、内容を理解しましょう!
ステップ2:前後の行を確認する¶
実は、エラーが出ている行が必ずしも原因とは限りません。
特にカッコの閉じ忘れやコロンの欠落は、前の行に原因があることが多いです。 私は何度も「エラーが出ている行を直しても治らない…」と悩まされましたが、実はその上の行に原因があったということがよくあります。
ステップ3:エディタの補助機能を活用する¶
最近の開発環境はとても優秀です。
たとえばVSCodeでは、SyntaxErrorがある箇所を赤い波線で即座に表示してくれます。
また、自動整形ツール(black
やautopep8
)を使えば、インデントやスペースのズレも自動で修正してくれます。
【エンジニア歴10年の体験談】SyntaxErrorは“成長のサイン¶
正直に言うと、私が最初にPythonを触った頃、SyntaxErrorは一日中出ていました。 「何が悪いのか全然わからない…」とイライラしたこともあります。
でも今振り返ると、SyntaxErrorはPythonが“正しい書き方”を教えてくれる親切なメッセージだったんです。 つまり、「ここを直せばもっと上手く書けるよ」というサインなんです。
エラーは敵ではなく、プログラムを正しく動かすためのヒントです。 エラーを避けるのではなく、「ありがとう」と思えるようになったとき、あなたは確実に一歩前進しています。
最近では、AIの進化が凄まじいので、コードをそのまま読み込ませるだけで、どこにどのようなエラーが出ているのかを瞬時に判定してくれます。 AIを使ってもいいのですが、トラブルシューティング能力を上げるためにも自力で解決してみることもおすすめです!
まとめ¶
ここまで、PythonのSyntaxErrorについて詳しく解説してきました。 最後にポイントをまとめましょう。
- SyntaxErrorは「構文(文法)」の誤りを知らせるエラー
- 原因の多くはコロンやカッコのミス、インデントのズレなど
- エラーメッセージをよく読むことで、解決の糸口が見つかる
- エディタの補助機能を使えば、未然に防ぐこともできる
SyntaxErrorを完全に避けることはできません。 しかし、正しい理解と少しの慣れがあれば、怖いものではありません。
Pythonは優しくも厳しい先生のような存在です。
エラーを通じてあなたに正しい書き方を教えてくれる。
それを「学びのチャンス」として受け止めることで、確実に上達していけます。
この記事が、あなたのプログラミングライフを少しでも楽に、そして楽しくする手助けになれば嬉しいです。 ここまでお読みいただきありがとうございました!