Pythonの学習で失敗してしまうパターン4選【実体験】
「Pythonを学び始めたけど、思ったより難しい…」「全然続かない」「挫折した」 こういった声を、10年以上エンジニアをやってきて、何度も聞きました。 というか、私自身も最初にPythonを学んだとき、かなり遠回りした経験があります。
この記事では、 「Pythonを学習するときにやりがちな失敗」を、私や周りのエンジニア仲間の実体験をベースにまとめました。
そして、なぜその失敗が起きるのか、どうすれば防げるのかも解説します。 この記事を読むことで、Python学習で遠回りする可能性をかなり減らせるはずです!
本記事のテーマ¶
- Python学習でよくある失敗パターン4選
- 実体験ベースで「なぜ失敗するのか」「回避方法は何か」を解説
- Python初心者が、正しい学習ルートをイメージできる
記事の信頼性¶
この記事を書いている私は、エンジニア歴10年です。 Web系企業でバックエンドをやりつつ、その後はデータ分析・機械学習・自動化ツール開発など、Pythonをフル活用してきました。 今でこそPythonは得意ですが、最初は独学で失敗しまくりでしたし、教える側になってからも、周囲の挫折パターンを山ほど見てきました。 そのような経験からこの記事を書いています。
読者さんへの前置き¶
これからPythonを頑張りたいけど、「どこから手をつけたらいいの?」「やってるけど不安…」という方に向けて書いています。 Pythonを学べば、自動化スクリプトからデータ分析、AI開発まで、できることが一気に広がります。
ただし、学び方を間違えると高確率で挫折します。 私のまわりでは、「Pythonを勉強してみたけど、3ヶ月後にはやめていた」という人がかなり多いんです。
ということで、私がやらかした失敗+周りの失敗をまとめて、挫折回避のヒントにしてほしいと思います。 それでは、さっそく見ていきましょう!
Python学習で失敗するパターン4選¶
結論から書きます。私が見てきた失敗パターンは、この4つです。
- ゴールが曖昧なまま始める
- 最初から高度なことに手を出す
- インプットばかりで手を動かさない
- エラーに弱すぎて詰む
これ、一見すると「まあよくある話じゃない?」と思うかもしれませんが、ほぼ全員このどれかにハマっています。 それぞれ、私の実体験を交えつつ、深掘りしていきますね。
① ゴールが曖昧なまま始める¶
Python学習を始める人の多くは、「とりあえずPythonが人気だから」「AIが流行ってるから」という理由で手をつけます。 これ、実は一番の挫折原因です。
私の失敗談¶
10年前、私も「Pythonがすごいらしい」と聞いて、参考書を3冊くらい買いました。 そして、ひたすら基礎文法を暗記する日々。if、for、クラス、関数…。 でも、2週間くらいでこう思いました。
「で、これ、何に使うんだっけ?」
ここで一気にモチベーションが下がるんです。 そして、本棚には積読されたPython本だけが残りました…。
なぜ失敗する?¶
ゴールがないと、学習のモチベーションが続かないからです。
Pythonは「できること」が広すぎるので、目標を決めないと、「何をどれくらいやればOKなのか」が分からないままになります。
結果、
- とりあえず基礎をやる
- 飽きる
- 「自分には向いてない」と諦める
という最悪のパターン。
回避方法¶
回避するには、どうしたらいいのでしょうか?
それは、Pythonで何を作りたいかを最初に決めることです。 例えば、
- 仕事のExcel作業を自動化したい
- データ分析でグラフを作れるようになりたい
- Webスクレイピングをやりたい
- AIで画像判定を試したい
このどれかを決めるだけで、学習ルートが明確になります。 私はその後、「業務のExcel集計を自動化する」をゴールにしました。 すると、「pandasを学べばいい」「openpyxlを使えばいい」という風に、必要な技術が見えてきます。
② 最初から高度なことに手を出す¶
これもよくあるパターンです。 TwitterやYouTubeで「PythonでAI作ってみた!」みたいな動画を見て、 「よし、オレもTensorFlow入れてニューラルネットやるぞ!」と気合を入れる。 その結果、環境構築で心が折れる。
実際に私が見た例¶
私の知り合いで、プログラミング経験ゼロなのに「ディープラーニングをやりたい」と言って、いきなりKeras(AIでよく使うライブラリ)の本を買った人がいました。 で、どうなったか?
- Pythonのインストールでつまずく
- Anacondaを入れる → エラー
- 依存関係の地獄にハマる
- 「プログラミング無理ゲー」って言って撤退
1週間で終わりです。 本人は悪くないんですが、最初の一歩が重すぎるんですよね。
なぜ失敗する?¶
PythonでAIやWeb開発をやるには、 「Pythonの基礎」+「ライブラリの使い方」+「関連するドメイン知識」が必要です。 最初から全部やろうとすると、脳のキャパを超えてしまいます。
回避方法¶
では、どうすればいいのでしょうか? 最初は「Pythonの基本文法+小さな自動化」でOK」です。
私がオススメする流れは、
- まず、Pythonの基礎(変数、条件分岐、ループ、関数)
- 自動化したい業務を見つける
- それを自動化するスクリプトを記述する。
これで、実用的なスクリプトを1〜2ヶ月で書けるようになります。
例えば、エクセルの単純作業や、Webページでの操作など、毎回行うことは自動化できます! AIやWeb開発は、それ以降からでも大丈夫です。
③ インプットばかりで手を動かさない¶
これは、私が一番やらかした失敗です。
本を読み、動画を見て、ノートにメモ…
でも、コードを書かない。
結果、「分かったつもり」になって、全然身についてない。
私の体験談¶
当時、私はPython入門の本を読んで、理解した気になっていました。 しかし、いざ仕事で簡単なスクリプトを書こうとしたとき、
「えっと…リストのappendってどう書くんだっけ?」
完全にゼロからググり直し。
頭では理解しても、手が覚えていないと意味がないんですよね。
なぜ失敗する?¶
プログラミングは、スポーツに近いからです。 サッカーの戦術本を100冊読んでも、いきなり試合で活躍できないのと同じ。 「書く練習」なしで上達は不可能です。
回避方法¶
学んだら、すぐに手を動かす。 例えば、
- if文を学んだら、簡単な条件分岐ゲームを作る
- pandasを学んだら、Excelの売上データを読み込んでグラフ化する
- 正規表現を学んだら、メールアドレス抽出スクリプトを作る
この「小さなアウトプット」を積み重ねるのが、最短ルートです。
最近は、ChatGPTなどのAIが簡単にコードを記述してくれますが、最初は勉強のために自力で書くことをオススメします。
④ エラーに弱すぎて詰む¶
Pythonを学び始めると、必ずエラーに出会います。
SyntaxError
、IndentationError
、ModuleNotFoundError
…。
私も最初は、「なんだこれ…」と絶望しました。
実際にあった話¶
私が教えた初心者の方が、ModuleNotFoundError
で3日間進めなかったことがあります。
原因は、仮想環境を切り替えてなかっただけ。
でも、その人は「Python難しすぎる」と言って諦めました。
なぜ失敗する?¶
初心者は、「エラー=自分の能力不足」と思いがちです。
でも、実際はただのタイポ(タイピングミス)や環境設定ミスがほとんど。
つまり、エラーとの付き合い方を知らないだけです。
回避方法¶
エラーは「友達」だと思うこと。(笑)
Pythonのエラーメッセージは、英語ですが親切です。
ModuleNotFoundError: No module named 'pandas'
→ 「pandasがない」って言ってるだけ。
ググれば1分で解決できます。
私がよくやる方法は、
- エラーメッセージをコピペしてGoogle検索
- Stack OverflowやQiitaの記事を読む
- 同じエラーで悩んでる人の解決策を真似する
これで、ほとんど解決します。 「エラーをググるスキル」こそ、プログラミング最強スキルです。
AIにエラー文章を入れると、一発で解決してくれる場合もありますが、 自分で探すことによって、どこでエラーが出ているのか、なぜエラーが出たのかの理解が深まります。
面倒ですが、最初の頃はググることをオススメします!
ここまで読んで「じゃあどう学べばいいの?」と思った方へ¶
失敗パターンを避けるためのポイントは、
- ゴールを決める
- 小さな成功体験を積み重ねる
- 手を動かす時間を増やす
- エラーを恐れない
これをベースにした「Python学習ロードマップ」を次に紹介します。
Python初心者のための学習ロードマップ【3ステップ】¶
私が実際に使って、周りのエンジニアにも勧めているロードマップです。
ステップ1:学習目的を明確にする¶
最初に「なぜPythonを学ぶのか」を決めましょう。
目的がないと、文法書やチュートリアルを終えただけで満足してしまい、実践に結びつきません。
ステップ2:開発環境を整える¶
環境構築でつまずいて挫折する人は多いです。 Pythonはシンプルに見えますが、ライブラリ依存や仮想環境の概念など、最初に壁が来ることがあります。 シンプルに「Python + VSCode」をインストールしてみましょう!
ステップ3:基礎文法を学ぶ¶
Pythonの基礎文法は非常にシンプルです。C系言語を触ったことがある方なら、数日で一通り把握できるでしょう。
学ぶべき基本は以下。
- 変数・データ型(数値、文字列、リスト、辞書、タプル、集合)
- 条件分岐(if文)
- 繰り返し処理(for, while)
- 関数定義
- クラスとオブジェクト指向
ステップ4:設計思考を身につける¶
基礎文法を覚えただけでは「とりあえず動くコード」しか書けません。 これでは独学止まりで、実務で評価されません。
リーダブルコードや、アルゴリズム、ソフトウェアアーキテクチャなどもしっかり学びましょう。
ステップ5:目的別にライブラリを学ぶ¶
Pythonの強みは、ライブラリが充実していることです。 自分の目的に応じて学習を進めましょう。 以下はライブラリの一例です。
- データ分析:NumPy, Pandas, Matplotlib, Seaborn
- 機械学習:scikit-learn, TensorFlow, PyTorch
- Web開発:Flask, Django, FastAPI
- 自動化:Requests, BeautifulSoup, Selenium, OpenPyXL
ステップ6:小さなプロジェクトで実践する¶¶
学習で最も重要なのは 「手を動かすこと」 です。 小さなプロジェクトを作りながら学ぶことで、知識が血肉になります。
まずは、自分の興味のある分野や、仕事の内容など、関連するプログラムやシステムを作ってみましょう! 自分以外の人に使ってもらって、フィードバックをもらうことでも勉強になると思います。
Python学習ロードマップとは?|エンジニア歴10年の経験から解説
私の失敗と学び【実体験まとめ】¶
- ゴールを決めなかった → 本を積読して終わった
- 高度なことをやろうとした → 環境構築で挫折
- 手を動かさなかった → 1行も書けないまま終了
- エラーで詰んだ → 「向いてない」と勘違い
でも、小さな自動化スクリプトを作ったとき、世界が変わりました。
「Pythonで仕事の面倒な作業が10分で終わる!」
この成功体験で、一気にモチベーションが上がりました。
まとめ:Python学習は「小さく、手を動かして、楽しむ」が正解¶
4つの失敗パターンをまとめると、
- ゴールが曖昧 → まずは「Pythonで何をしたいか」を決める
- 最初から高度なこと → 小さな自動化から始める
- インプットばかり → すぐ手を動かす
- エラーで詰む → ググる習慣をつける
Pythonは可能性の宝庫です。
でも、学び方を間違えると、あっという間に挫折します。
逆に、正しいルートで進めば、3ヶ月で「できる人」になれます。
最後に
Pythonを始めるなら、「失敗パターン」を知っておくことが最大の武器です。
この記事を読んだあなたは、すでにその武器を手に入れました。
あとは、小さく始めて、手を動かすだけです。
ここまでお読みいただきありがとうございました!!