Pythonでは、数値に対して演算を行い、その結果を変数に再代入するための便利な代入演算子が用意されています。これにより、コードがより簡潔かつ読みやすくなります。この教材では、代入演算子の活用方法について学びます。
通常の代入は次のように書きます。
x = 10
これは「変数 x に入っている値を取り出して、10を足し、その結果を再び x に代入する」という意味です。
これを複合代入演算子を使うと、次のように短く書けます。
x += 5
このように、演算(足す・引く・掛ける・割るなど)と代入をひとつにまとめて書けるのが、複合代入演算子の特徴です。
代入演算子を使えば、同じことを短く書けるため、コードが読みやすくなり、ミスも減らせます。
Pythonには複合代入演算子が複数用意されています。 代表的なものを以下の表にまとめます。
演算子 | 読み方 | 例 | 意味 |
---|---|---|---|
+= | 加算代入 | x += 5 | x = x + 5(足す) |
-= | 減算代入 | x -= 3 | x = x - 3(引く) |
*= | 乗算代入 | x *= 2 | x = x * 2(掛ける) |
/= | 除算代入 | x /= 4 | x = x / 4(割る、小数になる) |
//= | 整数除算代入 | x //= 4 | x = x // 4(割った商の整数部分) |
%= | 剰余代入 | x %= 3 | x = x % 3(割った余り) |
**= | 累乗代入 | x **= 2 | x = x ** 2(べき乗) |
それぞれの使い方をサンプルコードを見ながら説明します。
+=演算子を使うと、変数に値を加算し、その結果を再びその変数に代入することができます。
# 初期値の設定
x = 10
print("初期値:", x)
# 加算代入演算子を使用
x += 5
print("加算後:", x)
初めに変数 x に 10 を代入します。 print関数を使って初期値を表示します。 x += 5 は x = x + 5 と同じ意味です。 10 に 5を足しているため、xの値は15になります。
-=演算子を用いると、変数から値を減算し、その結果を変数に再代入できます。
# 初期値の設定
y = 20
print("初期値:", y)
# 減算代入演算子を使用
y -= 7
print("減算後:", y)
まず、変数 y に 20 を代入します。print関数で初期値を表示します。 次に、 y -= 7 で y の値は 13 になります(y = y - 7 と同じ)。 20 から 7 を引くので、結果は 13 になります。
*=演算子は、変数に値を乗算し、その結果を変数に代入します。
# 初期値の設定
z = 4
print("初期値:", z)
# 乗算代入演算子を使用
z *= 3
print("乗算後:", z)
まず、変数 z に 4 を代入します。print関数で、初期値を表示します。 z *= 3 により、z の値は 12 になります(z = z * 3 と同じ)。 4 に 3 を掛けるので、結果は 12 になります。
/=演算子を使用すると、変数を値で除算し、その結果を変数に代入します。
# 初期値の設定
a = 30
print("初期値:", a)
# 除算代入演算子を使用
a /= 5
print("除算後:", a)
まず、変数 a に 30 を代入します。print関数で初期値を表示します。 a /= 5 により、a の値は 6.0 になります(a = a / 5 と同じ)。 30 を 5 で割るので、結果は 6.0 になります。
複合代入演算子(+=
、-=
、*=
、/=
)を使用することで、数値の操作が簡潔に行えることがわかりました。これらの演算子を活用することで、コードを短縮し、可読性を高めることができます。次回は、演算子の優先順位について学びましょう。