Python組み込み関数とは?初心者でもわかる徹底解説

公開日: 2025-09-08

Pythonを学び始めたばかりの方がコードを書いていると、突然「組み込み関数(built-in function)」という言葉に出会うことがあります。

「そもそも組み込み関数って何?」 「普通の関数とどう違うの?」 「どうやって使えばいいの?」

そんな疑問を抱くのは自然なことです。 実際、Pythonの便利さを支えているのがまさにこの組み込み関数です。

この記事では、IT初心者やプログラミングを学び始めたばかりの方でも理解できるように、Pythonの組み込み関数について具体例を交えながら丁寧に解説していきます。 最後には代表的な関数の一覧も表にまとめているので、ぜひ学習の参考にしてください。

組み込み関数とは?

まず最初に組み込み関数の意味を押さえておきましょう。

組み込み関数とは、Pythonをインストールした時点で最初から使えるようになっている関数のことを指します。 つまり、追加でライブラリをインポートしたり自分で関数を定義したりしなくても、すぐに利用できる便利な関数のことです。

例えば、次のようなものがあります。

# 数値を文字列に変換
print(str(123))   # "123"

# リストの長さを取得
print(len([1, 2, 3, 4]))   # 4

# 最大値を求める
print(max(10, 20, 5))   # 20

これらはすべて組み込み関数です。
インポートなしでそのまま使えるのは、Pythonが最初から備えてくれているからなのです。

普通の関数との違い

では、組み込み関数と自分で定義する関数は何が違うのでしょうか。

自作関数の場合

def greet(name):
    return f"Hello, {name}!"

print(greet("Alice"))

これは自分で作った関数 greet を呼び出しています。 こうした関数はプログラマー自身が「関数を定義してから使う」必要があります。

組み込み関数の場合

print(len("Hello"))

一方で len() は自分で作っていないにもかかわらず最初から使えます。 ここが組み込み関数の大きな特徴です。

つまり「自作関数は定義が必要」「組み込み関数は定義不要で即利用可能」という違いがあるのです。

なぜ組み込み関数が便利なのか?

組み込み関数の存在は、プログラマーにとって大きな助けとなります。 もし組み込み関数がなかったら、文字列を数値に変換するコードや、リストの長さを調べる処理などを毎回自分で書かなければいけません。

例えば、len() がなかったとしたらリストの長さを数える処理はこう書く必要があります。

def my_len(lst):
    count = 0
    for _ in lst:
        count += 1
    return count

print(my_len([1, 2, 3, 4]))   # 4

もちろん動作はしますが、非常に冗長です。 しかしPythonの組み込み関数を使えば、一瞬で済みます。

print(len([1, 2, 3, 4]))   # 4

たったこれだけです。 「便利なものは最初から用意しておく」というPythonの思想がよく分かるでしょう。

実際に使われる代表的な組み込み関数

ここで「よく使う組み込み関数」を具体的に見ていきましょう。 サンプルコードを交えて紹介します。

print():出力する

プログラミング初心者が必ずお世話になる関数です。

print("Hello, Python!")

画面に文字や計算結果を表示してくれる、とてもシンプルで重要な関数です。

len():長さを求める

文字列やリストなどの要素数を簡単に求められます。

print(len("Python"))   # 6
print(len([10, 20, 30]))   # 3

データのサイズを調べたいときには欠かせません。

type():型を調べる

データがどんな型なのかを確認できます。

print(type(123))       # <class 'int'>
print(type("abc"))     # <class 'str'>
print(type([1,2,3]))   # <class 'list'>

初心者のうちは「これは数値?文字列?」と混乱しやすいので、型を確認するのに役立ちます。

int()str():型変換をする

数値を文字列にしたり、文字列を数値に変えたりすることもできます。

print(int("100") + 50)   # 150
print(str(123) + "円")   # "123円"

データを扱うときには型の変換がよく登場しますので、自然と使う機会が増えるでしょう。

sum():合計を求める

リストやタプルの要素を合計できます。

numbers = [1, 2, 3, 4, 5]
print(sum(numbers))   # 15

繰り返し処理を書かなくても一発で合計が出せるのはとても便利です。

sorted():並び替える

リストを昇順または降順に並び替えられます。

nums = [5, 2, 8, 1]
print(sorted(nums))         # [1, 2, 5, 8]
print(sorted(nums, reverse=True))   # [8, 5, 2, 1]

データを整える場面でよく使われる関数です。

代表的な組み込み関数の一覧表

最後に、よく使う組み込み関数を表で整理してみましょう。

関数名 説明 使用例 出力例
print() データを画面に出力 print("Hello") Hello
len() 要素数を返す len([1,2,3]) 3
type() 型を返す type("abc") <class 'str'>
int() 整数に変換 int("10") 10
str() 文字列に変換 str(100) "100"
sum() 合計を返す sum([1,2,3]) 6
max() 最大値を返す max(5,10,3) 10
min() 最小値を返す min(5,10,3) 3
sorted() 並び替える sorted([3,1,2]) [1,2,3]
range() 連続した数値を生成 list(range(5)) [0,1,2,3,4]

もちろんPythonにはこのほかにも数多くの組み込み関数が用意されています。 ここで紹介したのはあくまで「よく使うものの一部」です。

まとめ

この記事では、Pythonの組み込み関数について初心者向けに解説しました。

  • 組み込み関数はPythonに最初から備わっている関数
  • インポートせずにすぐ使えるのが特徴
  • printlentypesum など日常的に使う関数が豊富
  • 自作関数と違い「定義せずにそのまま使える」点が最大の違い

初心者のうちはまずこの基本的な関数をしっかり覚えておくと、コードを書くスピードも格段に上がります。 「これは組み込み関数でできないかな?」と意識して探してみると、無駄な処理を書かずに済むことが多いです。

Pythonを学ぶ上で、組み込み関数を理解することは大きな武器になります。 ぜひ一度、自分の書いたコードを「組み込み関数を使ってもっとシンプルにできないか?」と振り返ってみてください。

ここまでお読みいただきありがとうございました!

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