Pythonでプログラミングを始めると、まず最初に学ぶのが「変数(へんすう)」です。 変数とは、プログラムの中で数字や文字などのデータを一時的に保存しておく「名前のついた箱」のようなものです。
例えば、ゲームで「スコア」や「プレイヤー名」を保存しておきたいときに変数を使います。変数を理解することは、Pythonを使いこなすための第一歩です。
変数は、データを格納するための名前付きの場所です。
変数を作成する場合、Pythonでは、=
(代入演算子)を使用します。
変数を作成するサンプルコードを見てみましょう。 以下のように変数に値を割り当てます。
# 変数の定義
x = 10
name = "Tanaka"
1行目のx =10
では、xという箱に10を入れています。
2行目のname = "Tanaka"
では、name という箱に “Tanaka” を入れています。
このように変数を定義します。
こうすると、あとからその名前を使って値を取り出したり計算に使ったりできます。
print(x) # 10 と表示される
print(name) # Tanaka と表示される
Pythonでは、変数名を定義する際にいくつかのルールとベストプラクティスがあります。 きちんとしたルールで名前をつけておけば、自分も他人もコードを読みやすくなります。
変数には「自由に名前を付けてよい」わけではなく、いくつかのルールがあります。
age
とAge
は異なる変数として扱われます。if
, for
, while
など)は変数名として使用できません。ただルールを守るだけでなく、わかりやすい名前を付けることが大切です。
x
という変数名では、何を表すのか分かりません。#悪い変数の例
x = "Tanaka"
#良い変数の例
student_name = "Tanaka"
#悪い変数の例
firstname = "Taro"
#良い変数の例
first_name = "Taro"
n
よりも、number_of_students
の方が意味が伝わります。ただし長すぎる名前も読みにくいのでバランスが大事です。#悪い変数の例
n = 10
#良い変数の例
number_of_students = 10
以下は変数の命名の例です。 右のシミュレーターに入力して練習してみましょう!
# 変数の命名例
first_name = "Bob"
last_name = "Smith"
user_age = 30
total_cost = 100.50
# 変数を使った出力
print("User Name:", first_name, last_name)
print("User Age:", user_age)
print("Total Cost:", total_cost)
first_name
、last_name
、user_age
、total_cost
という意味のある名前の変数を定義しています。このように意味のある名前を使えば、コードを読んだ人が「何を表している変数なのか」すぐ理解できます。
Pythonでは、変数に入れた値を、あとから書き換えることができます。
Pythonでは、一度作った変数に 新しい値を入れ直す(再代入する) ことができます。
以下のコードでは、score
という変数に初期値10
を設定し、その後20
に再代入しています。
再代入後、変数の内容を出力すると、更新された値が表示されます。
# 変数の初期化
score = 10
print("Initial Score:", score)
# 変数の再代入
score = 20
print("Updated Score:", score)
Pythonでは、del
文を使って変数を削除することもできます。
temp
という変数に値30
を設定し、次にdel
を使ってその変数を削除しています。
# 変数の定義
temp = 30
print("Temperature:", temp)
# 変数の削除
del temp
# 変数を削除後に出力を試みる(エラーが発生します)
# print("Deleted Temperature:", temp) # これはエラーになります
削除後にtemp
を出力しようとすると、エラーが発生します。これは、temp
が存在しないためです。
これで、Pythonにおける変数の定義と命名規則についての基本を学びました。 次のセクションでは、データ型の基本について学びましょう。